「 日別アーカイブ:2015年08月13日 」 一覧

no image

13th August 2015

2015/08/13   -作品演奏会関連

 

笛にしろ太鼓にしろ、楽器というものは私たちが今手にすることのできる形で生まれたわけではなく、様々な変遷を経て私たちが普段目にする形に落ち着いています。そして大半の楽器において重要視されるのは音域や音高が異なる際でも音質にムラが出ないようにすること。これは半音階進行や転調を駆使する上でも、12音を過去と異なったヒエラルキーで扱う上でも、非常に便利です。

ところが、尺八は音質の均一化、という多くの楽器が辿った道筋を辿らずに現存する稀有な楽器の一つです。1オクターブを12の音で分ける、という考えに則るならば、この楽器で穴の開閉のみで出せる音は5つ。それに加え指穴を開ける割合や唇の角度を変えることにより音質の変化を伴い12音を奏します(12音というのは西洋音楽側から見た恣意的な視点であり、指遣いの面から話す方が尺八奏者の心情に近いと思います)。

尺八の独奏作品である《二箇》はちょうど3年前、作曲個展で発表した作品です。ここでは琴古流の流れと楽器固有の可能性を掛け合わせることにより、伝統の流れの上にある尺八のための作品を書くことに徹しました。